彼氏が大麻を吸っているらしい
彼と交際を始めてから、1年ほど経ったころ。
彼が
「大麻を吸ったことがある」
と私にカミングアウトしました。
その瞬間、頭からサーッと血の気が引いて、身体が強ばりました。
そして頭の中でグルグルとたくさんのことが走りぬけていきます。
違法だよね?
逮捕されるんじゃないの?
そうなったら彼はどうなる?
これからどうなる?
吸ったことがあるって?今は?
身体への影響は?
そんなことをパニックになりそうになりながら考えているなかで、矛盾にも冷静に「あぁ、やっぱり…」と思っている自分もいました。
なぜかというと、以前から
「彼は薬物を使用しているのではないか」
と疑っていたからです。
きっかけは、交際を始めて半年ほど経過したころ。彼が突然、脈絡もなく
「おれがジャンキーだったらどうする?」
と聞いてきたのです。
その時は「え〜〜ちょっと困っちゃうかも〜」と適当に返事をしたのですが、どう考えても突然こんな質問をするのはおかしいだろうと。笑
彼はヒップホップが大好きで、音楽だけでなくヒップホップカルチャーにも強く興味をもっていることを知っていました。
また、タバコをわざわざ巻紙を使って自分で巻いていたり、法律を遵守することの意義について批判的に語っていたときの真剣な表情であったり、「あれ?」と思う部分はちらほら……
しかし、わたしは直接彼に「薬物をやっているではないか」と聞いたことはありませんでした。
なぜかって今考えると、当時のわたしと彼はまだそれほど本音を語り合うような、そんな深い仲ではなかったからだと思います。。
あとこういうことはやっぱり相手から直接聞きたいなっていう、そんな気持ちもあったのです。
そんなモヤモヤを抱えながら彼と交際を始めてから1年ほど経ったある日、冒頭のような彼の大麻経験発覚事件が発生しました。
彼は
「大麻を吸ったことがある」
と言いましたが
それはつまり
「現在も(常習的に)大麻を吸っている」
ということであると、根拠はなかったのですがはっきりと、わたしは感じたのです。
なんか、わかりました。大好きな人だから。
今まで目をそむけるようにしてきたこと、疑いをかけていたこと、それらが一本の線につながって、答え合わせをしたような感じでした。
なににだよって感じだけど、なんだか勝手に裏切られたような感じもして。ぐしゃぐしゃな心のまま、わたしは聞きました。
「どうして?……身体は、大丈夫なの?」
だって、小学校から今までずっと「大麻=悪」ということを習ってきたから。
友達に大麻を誘われたらどうするかって、となりの席の子と練習もしました。
大麻をやっている人は、いわゆるヤンキーとか、勉強もちゃんとやってきたことのないような人とか、反社会的な人なんだよね?
突然、目の前にいる大好きな人がわからなくなりました。
わかってなんかなくて、わかったような気になってただけなんだって気づいたとき、すご〜〜〜〜く虚しくて悲しかったです。
そんなわたしを尻目に、彼はぽつりと
「調べてみてほしい。……大麻のこと。」
言いました。
わたしは言われるがままiPhoneをつかみ
検索窓に
「大麻 悪影響」
と入れました。
ただ「大麻」と調べるのではなくて、無意識に「大麻 悪影響」と入力して調べたところに、わたしの強い思い込みが表れていたと思います。
そう調べると、国や自治体、研究機関のサイトがたくさん出てきました。
どのサイトも、大麻は「ダメ、絶対」です。
そして、ある研究で大麻が脳に重大な悪影響を与えるということが判明!という内容の記事を見つけました。
(探したらありました。有料ですみません。)
毎日新聞. “脳内の神経回路に悪影響 大阪大、米科学誌に発表” .毎日新聞.2016-06-30.https://mainichi.jp/articles/20160701/k00/00m/040/022000c , (参照2023-03-06)
わたしは「やっぱり!」とばかりに、彼にその記事を見せ「身体に悪いに決まってるじゃん!」なんて言いました。
彼はその記事をよく読んでから、こう言いました。
「この実験なんかおかしい……」
んん?
どういうこと??
それはマウスに大麻成分を与えると、脳に重大な影響をもたらすという内容でした。
すごく怖いですよね。
わたしはこれを見てすごく不安になりました。
彼の身体は本当に大丈夫なのだろうか。。
しかし、他のサイトも調べてみるとなんだかおかしなところが見えてきました。
実験に使われていたマウスが人間に換算するとまだほんの乳児くらいなのです。
乳児に相当するほどの赤ちゃんマウスに大麻成分を投与すると、脳に重大な悪影響があるとのことでしたが、赤ちゃんに大麻吸わせるなんてこと、ないですよね……?
それも赤ちゃんに大麻を吸わせると、脳に重大な悪影響を及ぼすなんて、そりゃあそうでしょうって感じです。
この記事について、がん治療研究をしている福田一典医師がブログで解説されています。
実験への疑問点からメディアの印象操作まで、非常に詳しく書かれているので、ぜひ最後まで読んでいただきたいです。
福田一典. “497)医療大麻を考える(その12):冤罪はマスコミによって作られる”. gooブログ(goo blog).2016-07-06.https://blog.goo.ne.jp/kfukuda_ginzaclinic/e/975464187b6d776ca875a14ed15d3d9e ,(参照2023-03-06)
日本語で大麻について調べると、大麻の悪影響ばかりを強調するものばかりなのでわかりにくいですが、大麻には悪いことばかりではないことが調べていくうちにわかるはずです。
英語で調べてみると、より詳しく、より公正で公平な立場から知ることができます。
娯楽用・医療用ともに大麻の使用を合法化する国は年々増え続け、治療への有効性を示す論文も数多く存在します。
わたしが見つけた記事も、大麻の悪影響を強調するような見出しでしたが、終わりの数行には、認知症などの治療へと役立てていける可能性もあるということが書かれていました。
また、山本正光さんの医療大麻裁判についてもそのとき調べました。
余命宣告をされた末期癌患者だった山本さんが効果のない抗がん剤に代わって大麻を自宅で栽培・使用していましたが、逮捕され、国を相手に訴訟を起こしたものです。(是非調べてみてください)
大麻について知れば知るほど、「大麻=悪」ということばかり強調する国や法律、メディア、今まで受けてきた教育に対する疑念がわいてきました。
なぜ大麻の悪いところばかりクローズアップするのでしょう。
その時はただ、純粋に不思議でした。
大麻が万能薬であるとは思っていません。悪い部分が一つもないとも思いません。
ただ、わたしたちは大麻について知らなすぎるのではないでしょうか。
知らないから、わからないから恐ろしいのです。
わたしは恥ずかしながら、それぞれどのような作用があるかも、そもそも違いがあったこともこのときはじめて学びました。
今まで、教えられてきたことをそのまま受け止めるだけの思考停止人間だったことを強く感じるきっかけとなる出来事でした。
無知は罪です。
現代はインターネットというとても便利なツールがあります。
ぜひ、一度自分で大麻について調べてみることをおすすめします。
この大麻発覚事件を受けて、わたしは彼は今までで一番、腹を割って深い話をすることとなり、結果として以前よりもグッと距離が縮まり、信頼しあえる関係になりました。
わたしにとってあまりに衝撃の大きかった1日。
そして、価値観が大きく変化し、ターニングポイントともなった1日でした。